どんでん返しの名手
アメリカの小説家。年齢その他経歴については不明な部分が多く、はっきり分かっているのはニューヨークに生まれ、新聞記者を経て広告業界に入り、大手広告代理店三社のクリエイティヴ・ディレクターや副社長を歴任したこと、新聞社と広告関連会社で合わせて20年勤務した後フルタイムの作家へと転身したことぐらいです。
ミステリ作家としては1969年に長編「愛する者に死を」をペイパーバックで発表して作家デビューを飾った後、1983年までに全部で15の長編を発表しており、そのうち1972年に発表した「The Smith Conspiracy」でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)賞のペイパーバック賞に、1976年には一番の代表作とされる「心ひき裂かれて」で同賞の長編賞にノミネートされています。また1991年には第2長編の「仮面の情事─プラスティック・ナイトメア」が映画化されて注目を集めました。
その作風は異常な心理の描写に優れ、ニューロスティックな雰囲気を持つサイコ・スリラーに位置付けられますが、巧みなプロットにサプライズ・エンディング、いわゆるどんでん返しを得意とし、本格ミステリの醍醐味も味わえるのが大きな特徴です。
一部にカルト的なファンを持ち、才能に恵まれながらも英米では評価があまり高くないのが惜しまれる所です。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 愛する者に死を | 1969 | HPB1805 | |
2 | 仮面の情事 ─プラスティック・ナイトメア |
新潮文庫('91) | 映画化('91) | |
3 | 亡き妻へのレクイエム | HPB1817 | ||
4 | 殺人症候群 | 1970 | 角川文庫('98) 角川書店('82) |
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5 | The Damned Innocents (Dirty Hands) |
1971 | - | |
6 | 日本で別れた女 | 1972 | HPB1388 | |
7 | オイディプスの報酬 | 角川文庫('98) 角川書店('78) |
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8 | The Smith Conspiracy | - | ||
9 | The Ridgway Women | 1975 | - | |
10 | 心ひき裂かれて | 1976 | 角川文庫('98) 角川書店('80) |
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11 | Lies | 1978 | - | |
12 | No Certain Life | - | ||
13 | The Obligation | 1979 | - | |
14 | An Accidental Woman | 1981 | - | |
15 | Shadows from the Past | 1983 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | DVD | 備考 |
1 | Shattered プラスティック・ナイトメア/仮面の情事 |
1991 | ジャパンホームビデオ('07) |