アメリカの推理小説家で、現代を代表する本格派の一人です。ニューヨークに生まれ小さい頃から「エラリー・クイーンの冒険」などエラリー・クイーン作品を愛読し、クイーンに憧れて推理小説家を目指したといいます。
大学卒業後しばらくは工場やミステリ専門書店に勤めますが、その時に同じミステリ作家であるオレイニア・パパゾグロウと知り合い結婚します。
1978年、テレビ界を舞台にした処女作「視聴率の殺人」でデビューしますが、この作品でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)の最優秀処女長編賞を受賞。続いて発表した彼の代表作である第2作の「ホッグ連続殺人」も大反響を呼び、瞬く間に人気作家の仲間入りを果たします。
その後も「視聴率の殺人」などのデアンドリア作品の大半で探偵役を務めるテレビ局のもめごと処理担当重役マット・コブの活躍する本格もののシリーズの他、「ピンク・エンジェル」などの歴史もの、更には「クロノス計画」などのスパイ・サスペンス作品を発表したりしていて、その才能を活かして幅広い分野で作品を残しています。
また作品発表以外にも編集者として活躍したり、〈アームチェア・ディテクティヴ〉誌にレギュラー・コラムニストとして参加。更には1994年には「ミステリー百科辞典」でMWAの最優秀評論/評伝賞を受賞するなど、多岐にわたる分野で大活躍しますが、1996年にガンのため44歳の若さで亡くなっています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | ホッグ連続殺人 | 1979 | 早川文庫76-11(新装版) 早川文庫76-1 |
ハヤカワベスト100・25位 EQアンケート36位 MWA賞ペイパーバック賞('80) |
2 | ウルフ連続殺人 | 1992 | ベネッセ('94) 福武書店 ミステリー・ペーパーバックス('94) |
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3 | The Many Murders | 1994 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | クロノス計画 | 1984 | 早川文庫76-8 | アメリカ情報機関を舞台としたスパイ・サスペンス |
2 | スナーク狩り | 1985 | 早川文庫76-9 | |
3 | 死の天使アザレル | 1987 | 早川文庫76-10 | |
4 | A Tropos | 1990 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | ピンク・エンジェル | 1980 | 早川文庫76-2 | シオドア・ルーズベルト大統領のNY市警本部時代の事件を描いた歴史ミステリ |
2 | 五時の稲妻 | 1982 | 早川文庫76-5 | ヤンキースのミッキー・マントル登場の歴史ミステリ |
3 | Unholy Moses | 1985 | - | フィリップ・デグレイヴ名義 |
4 | Keep the Body Faith | 1986 | - | |
5 | Written in Fire | 1995 | - | ロボ・ブラック&グウィン・ブッカーもの |
6 | The Fatal Elixir | 1996 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | クリスマス・ツリーの冒険 | 1996 | 原書房「シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人」('98) | シャーロック・ホームズのパスティーシュ |
2 | The Adventure of the Cripple Parade 包帯を巻いた男 (松葉杖の怪事件) |
HMM'97.3 | シャーロック・ホームズのパスティーシュ(ミッキー・スピレーン風) | |
3 | Prince Charming 白馬の王子 |
1998 | 原書房「赤ずきんの手には拳銃 ワンス・アポン・ア・クライム」('99) |