部下のパスコー部長刑事との掛け合いが絶妙な巨漢探偵

UK アンドルー・ダルジール警視
(Andrew Dalziel)

骨と沈黙
「骨と沈黙」
(1990年)
(早川書房)

 現代を代表する本格推理小説家の一人レジナルド・ヒルの生んだ、イギリスの警察官探偵。ヨークシャー州警察犯罪捜査部の警視で、スコットランド系のため本来発音はディーエルが正しいそうです。

 太った牛のような大男で、禿かかった白髪混じりの大きな頭をしていて、大きな目に度の強い眼鏡をかけています。そして人使いが荒い上にマナーも口も悪く、人前え平気でげっぷをしたり、股をボリボリと掻いたりする困った人物。しかも自分は人に好かれていると勘違いしているので始末に終えません。

 もっともどこか憎めない所があり、中等教育のみのノンキャリアでありながら叩き上げで今の地位まで這い上がってきた実力は誰しもが評価している所です。

 このダルジールを補佐するのが部下のピーター・パスコー部長刑事とエドガー・ウィールド部長刑事で、特にパスコー部長刑事はダルジールとは正反対で大学出で社会学の学士号を持ち、ハンサムで上品な好青年。対照的なこの二人のコンビの掛け合いが絶妙で、物語に楽しい雰囲気を醸し出しています。


■原作■

レジナルド・ヒル
(Reginald Hill 英 1936-2012)


■人物ファイル■

職業
イギリス中部ヨークシャー警察犯罪捜査部の警視
協力者
部下のピーター・パスコー部長刑事(のち主任警部)
ゲイのエドガー・ウィールト部長刑事
フェミニストのエリー

■事件ファイル■

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 社交好きの女 1970 HPB1389 レジナルド・ヒル処女作
2 殺人のすすめ 1971 HPB1356
3 秘められた感情 1973 早川文庫200-2
4 四月の屍衣 1975 早川文庫200-3
5 A Pinch of Snuff 1978 -
6 A Killing Kindness 1980 -
7 薔薇は死を夢見る 1983 HPB1459
8 死にぎわの台詞 1984 HPB1508
9 子供の悪戯 1987 HPB1536
10 闇の淵 1988 HPB1565
11 骨と沈黙 1990 早川文庫200-1
HPB1585
CWA賞ゴールド・ダガー賞('90)
ハヤカワベスト100・64位
EQアンケート29位
12 Recalled to Life
甦った女
1992 HPB1648
13 完璧な絵画 1994 HPB1664
14 幻の森 1996 HPB1667
15 ベウラの頂 1998 HPB1690
16 武器と女たち 2000 HPB1710
17 死者との対話 2001 HPB1738
18 死の笑話集 2002 HPB1761
19 真夜中への挨拶 2004 HPB1782
20 The Death of Dalziel
(米 Death Comes for the Fat Man)
ダルジールの死
2007 HPB1810
21 A Cure for All Diseases
死は万病を癒す薬
2008 HPB1830
22 Midnight Fugue
午前零時のフーガ
2009 HPB1843

【短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 パスコーの幽霊 1979 HPB1412 全7編
1 パスコーの幽霊 早川文庫200-4「ダルジール警視と四つの謎」
2 ダルジールの幽霊 早川文庫200-4「ダルジール警視と四つの謎」
HMM'81.10
2 ソ連に幽霊は存在しない 1987 HPB1556 シックス・スミス1編他
全6編
1 There Are No Ghosts in the Soviet Union
ソ連に幽霊は存在しない
HMM'87.7-8
2 Auteur Theory
踏みにじられて
HMM'86.9
3 ダルジール警視と四つの謎 1994 早川文庫200-4
1 最後の徴集兵 HMM'95.10
2 パスコーの幽霊 1979 HPB1412「パスコーの幽霊」 再収録
3 ダルジールの幽霊 HPB1412「パスコーの幽霊」
HMM'81.10
再収録
4 小さな一歩 1990 HMM'92.7

【日本で独自編纂の短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 最低の犯罪 2000 光文社文庫 日本独自で編纂
全13編
1 雪はくぼんでいた 1995 EQ'96.5
2 夜明けのフロスト 2005 光文社文庫 ジャーロ編集部編
他作家とのアンソロジー
1 お宝の猿 2001 ジャーロ'04冬

【邦訳中短編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 クリスマスのキャンドル HMM'99.12

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