二つの性格を持つキュートなお嬢様探偵
北村薫の生み出した、可憐でキュートなお嬢様探偵。実家は世田谷に大豪邸を構える大富豪。
肩の辺りから緩やかにウエーブしたロングの髪に子供の肌を思わせるつやつやした抜けるような白い肌、まつ毛の長い大きな瞳で、誰もが思わず絶句するほどの天国的な美貌の持ち主で、ピアノや美術など多彩な趣味を持ち、おまけに一を聞けば百を知るほどの明晰な頭脳も持っている、まさに非の打ちどころのないキャラクター像です。
しかしその一方で千秋にはひとつの厄介なことがありました。それは別人格といってもいいほどの違いを持つ2つの性格で、普段お屋敷の中にいる時はカーテンの陰に隠れてしまうなど借りてきた子猫のように人見知りで内気な性格で、人前に出ればもじもじとしてしまい、対人恐怖症といってもいいほどの恥ずかしがり屋なのです。
ところがそれが一旦お屋敷の外に出ると、途端にサーベルタイガーのような凶暴な性格に大変身。表情も喋り方も歩き方もまるで別人のように変わり、名前の呼び方も「さん」つけから呼び捨てまたは「おまえ」に…。
そして街のゴロツキ相手に啖呵を切っては、ヘタに手を出そうものならたちまち相手は殴り倒されるか投げ飛ばされてしまうほどの天変地異の格闘技の腕前を見せるのです。
そんな強烈な個性を持つスーパーお嬢様が弱冠19歳の時に”覆面作家”というペンネームで雑誌〈推理世界〉に小説を書いたことから物語は始まり、猫の目のように目まぐるしく変わる性格で担当編集者の岡部良介を振り回しつつも、彼を相棒にして日常に潜む謎や事件を鮮やかに解決していきます。
なおこのシリーズは1998年にNHKにより「お嬢様は名探偵」のタイトルでドラマ化され、あすかコミックスからは全4巻でコミックス化もされています(ちなみに2巻と4巻は北村薫監修による原作にはないオリジナルストーリー)。また海洋堂からは2体セットの新妻千秋の1/8フィギュアも発売されています。
No. | 事件名 | 発表年 | 出版 | 備考 | |
1 | 覆面作家は二人いる | 1991 | 角川文庫('97) 中央公論新社 Cノベルス('02) 角川書店 |
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1 | 覆面作家のクリスマス | 1991 | |||
2 | 眠る覆面作家 | ||||
3 | 覆面作家は二人いる | ||||
2 | 覆面作家の愛の歌 | 1995 | 角川文庫('98) 中央公論新社 Cノベルス('02) 角川書店 |
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1 | 覆面作家のお茶の会 | 1994 | |||
2 | 覆面作家と溶ける男 | ||||
3 | 覆面作家の愛の歌 | 1995 | |||
3 | 覆面作家の夢の家 | 1997 | 角川文庫('99) 中央公論新社 Cノベルス('03) 角川書店 |
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1 | 覆面作家と謎の写真 | ||||
2 | 覆面作家、目白を呼ぶ | ||||
3 | 覆面作家の夢の家 |
No. | 事件名 | 発表年 | 出版 | 備考 |
1 | 覆面作家は二人いる1〜4 | 1994 | 1998 |
角川書店 あすかコミックス | 美濃みずほ画 |
【参考】「静かなる謎 北村薫」(宝島社 別冊宝島1023)