湯川学助教授（探偵ガリレオ）
(Manabu Yukawa)

　東野圭吾の短編集「探偵ガリレオ」や「予知夢」、それに直木賞受賞作品となった長編「容疑者Ｘの献身」などに登場する科学者探偵。

　通称”ガリレオ先生”。著者が理系の知識を駆使した小説を書いてみたいと思ったことから誕生したキャラクターなのだそうです。

　本業は帝都大学理工学部物理学科の助教授である彼が警察の捜査に協力するようになったのは、警視庁捜査一課に所属する草薙俊介を通じてでした。

　草薙は帝都大学社会学部出身の典型的な文系人間ですがなぜか超常現象と思いたくなるような不思議な事件に出くわすこと多く、そこで思い立ったのが今や理工学部の助教授で大学在学時にバトミントン部で一緒だった湯川学の存在だったのです。

　湯川助教授の方も犯人探しには全く興味はないものの、そこは典型的な理系人間。”実に面白い”謎を聞かされると大いに興味を示し、知的ゲームを楽しむような感覚で鮮やかに不可思議な現象を論理的かつ科学的に解明していきます。

　そしてその見事な手腕は草薙の上司である警視庁捜査一課の間宮警部からも絶賛され”ガリレオ先生”と呼ばれて持ち上げられた湯川助教授は、以後超常現象的な事件が発生するときまって草薙から相談を持ちかけられ、彼の良きパートナーとして事件解決に協力することになります。

　長身痩躯で足が長く、科学者らしく白衣にメガネという出で立ちが多いものの、普段はアルマーニのブランドを好むおしゃれな所もあり、また大学時代はバトミントン部でエースだったこともあり運動神経も抜群のスポーツマンで、堅物という印象はまったくありません。

　その一方で天才的な頭脳の持ち主であると同時に、理系人間らしく論理的な思考を好み、非科学的ないし非論理的なことには皮肉交じりな答えを返すことも多いのですが、クールな言動とは裏腹に時に思いやりのある一面をのぞかせることもあり、根は人間味のある非常に優しい人物であると想像されます。

　またなぜか子供が苦手で、子供と接すると体調不良を起こす変わった体質の持ち主でもあります。

　このシリーズは短編集「探偵ガリレオ」と「予知夢」のうちの９作品が2007年秋にフジテレビ系列の月曜夜９時、いわゆる月９の枠で連続ＴＶドラマとして放映され、高視聴率を記録するなど人気を集めました。
　また同じキャスティングで2008年秋に長編「容疑者Ｘの献身」が映画化されることも決まっています。

　なおＴＶドラマでは湯川助教授のパートナーとして女性刑事の内海薫が大活躍しますが、彼女は原作では2006年発表の短編「落下る（おちる）」が初登場で、ＴＶドラマでは草薙刑事の役回りを彼の代わりに演じています。
　また湯川助教授の助手の栗林宏美と監察医の城ノ内桜子はドラマオリジナルのキャラクターです。