探偵・法月綸太郎
（Noriｚuki Rintaro）

　法月綸太郎の生み出した著者と同姓同名の名探偵で犯罪研究家。氏の第２長編である「雪密室」で初登場し、以後氏のほとんどすべての作品で探偵役を務めています。

　本職はミステリーを書く若手小説家ですが、実父である警視庁捜査一課の法月貞雄警視の要請を受けて事件捜査に協力します。また東京世田谷に父親と二人で暮らしており、これらの設定は著者の敬愛するエラリー・クイーン父子の設定に倣ったものであり、いわばクイーンのオマージュ色の濃いシリーズといえます。

　親子探偵であるためか、代表作の「生首に聞いてみろ」をはじめ作中では、家族の問題が根底に絡んでいる事件に遭遇することが多いのが一つの特徴。その一方で短編集でも活躍し、短編集「冒険」「新冒険」に収録の図書館シリーズには、エラリー・クイーンに登場する秘書のニッキー・ポーターを彷彿とさせる図書館司書の沢田穂波というキャラクターも登場します。