ミステリーの組織・団体


アメリカ推理作家リーグ
(American Crime Writers League)

■国籍:アメリカ

■設立:1987年

■設立趣旨:
 エド・ゴーマン、シャーロット・マクラウド、ロバート・J・ランディージによりミステリー作家の地位向上を目的に設立

■会員資格:
 出版実績のあるミステリー著作家

■概要:
 会員同士の交流活動や「ACWLブリティン」という機関誌の発行が中心。

■WEBサイト:http://www.acwl.org/

アメリカ探偵作家クラブ
MWA
(Mystery Writers of America)

■国籍:アメリカ

■設立:1945年

■設立趣旨:
 ミステリーの普及、ミステリー作家の地位向上、利益の保護・推進などを目的とする
 アンソニー・バウチャー、エラリー・クイーン、レックス・スタウト、E・S・ガードナーなど錚々たる作家が集まり、当初は52名で発足

■会員資格:
 作家・編集者・書評家など、現在アメリカ国内に9つの支部を持ち世界規模で2600名以上の会員を抱える

■概要:
 各支部毎に月例会(夏を除く)
 大学などで創作講座や講演会やセミナーなどを開催しミステリーの普及に努める
 毎年春に年次大会を開催、ミステリー界の主要イベントの一つ「MWA賞」の発表
 会員向けの機関誌「ザ・サード・デグリー」の発行

■WEBサイト:http://www.mysterywriters.org/

オーストラリア推理作家協会
(Crime Writers Association of Australia)

■国籍:オーストラリア

■設立:1996年

■設立趣旨:
 オーストラリアのミステリー作家の作品の普及促進を目的とする
 シドニーにある書店「アビーズ・ブックショップ」のピーター・ミルンを中心に設立・運営

■会員資格:
 特に制限なし

■概要:
 交流会、読書会、サイン会などを催しミステリーの普及に努める
 会員には季刊で機関誌を発行
 「ネッド・ケリー賞」の授与

■WEBサイト:http://www.cwaa.org.au/

国際推理作家協会
(International Association of Crime Writers)

■国籍:ミステリー作家のための国際団体

■設立:1986年

■設立趣旨:
 国境を越えてミステリー作家たちの交流を図り、世界的な規模でミステリーの普及を推進する目的

■概要:
 年に1度会員国で年次大会を開催  地域別に15の支部を設け、各支部や支部同士の大会を開催  設立時からの支部である北アメリカ支部による「ハメット賞」の授与

■WEBサイト:http://www.iacw.org/

国際ミステリー愛好家クラブ
(Mystery Readers International)

■国籍:アメリカ

■設立:1986年

■設立趣旨:
 設立者は精力的なミステリー・ファンとして知られるジャネット・ルドルフ

■会員資格:
 アメリカだけでなく20数カ国に会員を持ち、作家や評論家や出版関係者なども数多く参加する世界最大のミステリーのファン組織

■概要:
 機関誌「ミステリー・リーダーズ・ジャーナル」の発行、各号決められたテーマによる評論や研究で充実している  「マカヴィティ賞」の主催

■WEBサイト:http://www.mysteryreaders.org/

シスターズ・イン・クライム
(Sisters in Crime)

■国籍:アメリカ

■設立:1986年

■設立趣旨:
 ミステリー分野における女性の地位向上を目的とする
 1986年にアメリカのボルティモアで開催されたバウチャーコンにおいて読者、作家、編集者、書店主などの女性たちが集まり、女性作家の作品が書評される機会が不当に少ないなどの状況が指摘され、改善活動を行うことが決定される
 その後サラ・パレツキーを中心に87年には運営組織を整備

■会員資格:
 当初は女性会員のみだったが、現在は男性作家の会員も多く、ヨーロッパにも支部を持つ世界的な組織へと発展

■概要:
 女性作家の出版活動を積極的に進め、その後の女性作家台頭に大きな影響を与えている
 年4回の機関誌の発行
 会員作家の短編を集めたアンソロジーの発行

■WEBサイト:http://www.sistersincrime.org/

イギリス推理作家協会
CWA
(Crime Writers' Association)

■国籍:イギリス

■設立:1953年

■設立趣旨:
 英国には元々ディテクション・クラブがあったが閉鎖的だった
 そこでアメリカ探偵作家クラブ(MWA)を手本としてミステリーの普及、作家の地位向上を目的にジョン・クリーシーなどの提唱により発足

■会員資格:
 ノンフィクション作家、編集者、書評家にも門戸を開放

■概要:
 イギリス国内に6つの支部を持ちそれぞれ独自のスケジュールで活躍
 ロンドンで本部主催の例会を毎月開催
 最大のイベント年次大会の開催と「CWA賞」の授賞式
 機関誌「レッド・ヘリングズ」の発行
 1956年以降、会員作家の作品を集めたアンソロジーを発行

■WEBサイト:http://www.thecwa.co.uk/

カナダ推理作家協会
CWC
(Crime Writersof Canada)

■国籍:カナダ

■設立:1982年

■設立趣旨:
 会員の交流と会員の創作・出版活動を推進することを目的

■会員資格:
 カナダにおいてミステリー活動に従事している関係者により構成

■概要:
 会員向けに季刊のニューズレターを発行  「アーサー・エリス賞」の主催  カナダ作家の活動を知ることができる年刊の会員作家名簿「イン・コールド・ブロード」の発行

■WEBサイト:http://www.crimewriterscanada.com/

ディテクション・クラブ
(The Detection Club)

■国籍:イギリス

■設立:1928、29、30年の諸説あり

■設立趣旨:
 イギリスのミステリー作家による団体でミステリーの水準を高めることが目的
 アントニイ・バークリーによってロンドンで創設されたため、ロンドン・ディテクション・クラブといわれることも
 初代会長はG・K・チェスタトンで、36年に亡くなるまで会長を務め、次いでE・C・ベントリー、ジュリアン・シモンズらが後を継ぐ。

■会員資格:
 普通の作家団体と違い社交機関的な色彩が強く、入会はクラブが特に招請した作家に限られる
 イギリス人だけでなくアメリカ国籍のディクスン・カーも有力会員の一人だった

■概要:
 ミステリー作家同士の交流
 「漂う提督」(31)をはじめとする有名作家が次々と文章を書き継いで完成させるリレー長編を7冊ほど編集・刊行

バウチャーコン
(Bouchercon)

■国籍:世界最大のミステリー大会

■設立:1970年

■設立趣旨:
 1968年に亡くなったアンソニー・バウチャーの業績を讃え、翌年著名なミステリー・ファン、研究家であるレン&ジューン・モファット夫妻によって大会の開催が発案される

■概要:
 1970年のカフィフォルニア州サンタモニカ大会より毎年開催され、当初はカリフォルニア州を中心にした小規模な大会だった
 現在はファン、作家、出版関係者などが一堂に集う世界最大の総合ミステリー大会へと発展
 1990年にアメリカ以外で初の開催となるロンドン大会が開催
 1986年のボルティモア大会から出席者の投票による「アンソニー賞」の選出

■WEBサイト:http://www.bouchercon.info/

813
(813 les Amis de la Littérature Policieère)

■国籍:フランス

■設立:1979年

■設立趣旨:
 フランスの内外で推理文学を発展させ擁護する目的  正式名は「813推理文学友の会」で「813」は怪盗アルセーヌ・ルパンが活躍するモーリス・ルブランの作品名から  

■概要:
 世界中にいる約800名の会員への推理小説関係の評論、作歌インタビューを掲載する機関誌「813」(季刊)を発行  全会員の投票による「813トロフェ」という賞の授与(長編、短編、映画、テレビ、編集、翻訳などの各部門)

■WEBサイト:http://www.813.fr/

アメリカ私立探偵作家クラブ
PWA
(Private Eye Writers of America)

■国籍:アメリカ

■設立:1981年

■設立趣旨:
 アメリカにおける私立探偵小説の普及と作家の地位向上を目的にロバート・J・ランディージの呼びかけにより設立
 設立当初の有力メンバーとしてジョン・ラッツ、M・A・コリンズ、ビル・プロンジーニ、マーシャ・マラー、マイクル・リューインなど

■概要:
 機関誌「リフレクションズ・イン・ア・プライベート・アイ」の発行
 会員作家によるアンソロジーの出版
 「シェイマス賞」の選考・授与や新人コンテストの実施
 「アイコン」と呼ばれる大会の開催(不定期)

ピンカートン探偵社
(The Pinkerton National Detective Agency)

■国籍:アメリカ

■設立:1850年

■設立趣旨:
 スコットランド系アメリカ人のアラン・ピンカートンにより設立された私立探偵社

■概要:
 ピンカートンは1819年にスコットランドのグラスゴーに警察官の息子として生まれ、42年にシカゴに移住。  やがてアマチュア探偵として才能を発揮、にせ金作りの一味を捕まえたことから、クック郡の副保安官に選ばれます。  その後シカゴ警察を経て1850年に警察を退職し同探偵社を設立、「私たちは眠らない」をモットーに大統領選挙に立候補していたエイブラハム・リンカーンの暗殺計画を未然に防いだことで一躍有名となり、リンカーンは南北戦争期間中に同社の探偵たちを身辺警護に雇っていたといいます。

 社旗などに見開いた片目の描かれた社旗がトレードマークで、私立探偵をPrivate Eyeというのはこの眼から来ているそうです。

 ミステリーとの関連としてはハードボイルドの始祖とされるダシール・ハメットがこの探偵社に一時期勤務してて、その作品には探偵時代の経験が色濃く反映されているというのは有名な話です。

■WEBサイト:http://www.securitas.com/pinkerton/en/

マリス・ドメスティック
(Malice Domestic Ltd.)

■国籍:アメリカ

■設立:1989年(1992年より非営利団体として活動)

■設立趣旨:
 アガサ・クリスティーの作品に代表されるようなコージー・ミステリーの発展と普及を目的

■会員資格:
 作家なども含むボランティアによる委員会によって運営

■概要:
 マリス・ドメスティック・コンヴェンションの運営が主な活動
 機関誌「ユージュアル・サスペクツ」やアンソロジーの発行
 「アガサ賞」の主催

■WEBサイト:http://www.malicedomestic.org/

【参考】「海外ミステリベスト100」(ハヤカワミステリ文庫)
「世界の名探偵50人」(ワニ文庫)


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