UK サイモン・ブレット
(Simon Brett)

殺しの演出教えます
「殺しの演出教えます」
(1978年)
(角川書店)

 イギリスのユーモア本格推理小説家。サリー州ウスター・パークに生まれオックスフォード大学のワドハム・カレッジに進み、大学で英語学を学ぶ一方で演劇部にも身を置いて部長を務めていました。

 ほどなく大学を卒業と同時にBBSに入社。1967年から1977年まではラジオのプロデューサーの仕事に就き、その後1977年から1979年までロンドン・ウィークエンド・テレビのプロデューサーを務めます。

 そしてその多忙な勤務の傍ら自身が大好きだという演劇にも手を染めて、これについては発表した舞台劇がロンドンで上演されたこともあったといいます。

 そんなブレットがミステリーに手を染めたきっかけは、黄金時代の巨匠の一人である女流作家ドロシー・L・セイヤーズのピーター・ウィムジイ卿のシリーズをラジオの連続ドラマとして採り上げたことがきっかけだったらしく、1975年、中年で売れない俳優のチャールズ・パリスを主人公に据えた長編「邪魔な役者は消えていく」でミステリ作家としてデビューを果たします。

死のようにロマンティック
「死のようにロマンティック」
(1985年)
(早川書房)

 以後は主にこのパリスものと、元義賊で好奇心の強い老婦人のメリタ・パージェター夫人を主人公とするシリーズの2つを中心に作品を発表し続けています。

 テレビやラジオ、演劇に長い間携わっていたこともあって、軽快でテンポが良く機知に富み、ブラックなユーモアに溢れているのが彼の作品の一番の特徴です。


■作家ファイル■

出身地
イギリス、サリー州ウスター・パーク生まれ
学歴
ロンドンのダリッジ・カレッジからオックスフォード大学ワドハム・カレッジ卒(英語学専攻)
生没
1945年10月28日~
作家としての経歴
1975
俳優探偵チャールズ・パリスものの第1作「邪魔な役者は消えてゆく」でミステリ作家としてデビュー
1986
メリタ・パージェターものの第1作「気どった死体」を発表
1986
この年から1987年にかけ、英国推理作家協会(CWA)の会長に就任
シリーズ探偵
俳優探偵チャールズ・パリス (Charles Paris)
メリタ・パージェター夫人 (Mrs Pargeter)
エマ、スティーウィー&マーカス(ジュヴナイル)
代表作
「邪魔な役者は消えてゆく」(チャールズ・パリス)
「死のようにロマンティック」

■関連リンク■

1 サイモン・ブレット公式サイト


■著作リスト■

1 俳優探偵チャールズ・パリス登場作品リスト

2 メリタ・パージェター夫人登場作品リスト

3 Fethering ミステリー・シリーズ

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Body on the Beach 2000 -
2 Death on the Downs 2001 -
3 Torso in the Town 2002 -
4 Murder in the Museum 2003 -
5 The Hanging in the Hotel 2004 -
6 The Witness at the Wedding 2005 -
7 The Stabbing in the Stables 2006 -
8 Death under the Dryer 2007 -
9 Blood at the Bookies 2008 -
10 Poisoning at the Pub 2009 -
11 The Shooting in the Shop 2010 -
12 Bones Under the Beach Hut 2011 -
13 Guns in the Gallery 2012 -

4 エマ、スティーウィー&マーカス登場作品リスト

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Three Detectives and the Missing Super Star 1986 - ジュヴナイル
2 The Three Detectives and the Knight in Armour 1987 - ジュヴナイル

5 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 殺意のシステム 1984 HPB1479 倒叙
2 死のようにロマンティック 1985 HPB1464
3 Christmas Crimes at Puzzel Manor 1991 -
4 Singled Out 1995 -

【短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 A Box of Tricks
(米 Tickied to Death)
1985 - パリスもの1編を含む全12編
1 変身願望 1980 早川文庫「バードウォッチング」
光文社文庫「世界ベスト・ミステリー50選/下」('94)
2 Double Glazing
二重窓
1979 早川文庫「誰にでもある弱味」('82)
3 Metaphor for Murder
犯罪開発計画
1981 EQ'81.9
4 The Girls in Villa Costas
(Playing It Cool)
-
5 How's Your Mother ?
お母さんはお元気?
1980 EQ'84.3
6 Count Your Blessings
いいことだけを考えよう
扶桑社ミステリー「スカーレット・レター」('93)
7 Tickled to Death
死ぬほどおかしな
1982 早川文庫「沼地の蘭」('84)
8 逃げ道 EQ'92.9(89)
9 Privileged Information
極秘情報
光文社文庫「英米超短編ミステリー50選」('96)
EQ'83.1
10 Don't Know Much About Art
美術は苦手
1984 早川文庫「探偵をやってみたら」('86)
HPB1505「現代イギリス・ミステリ傑作集3」
HMM'85.12
11 不安な眠り
(わが社の看板秘書)
1985 EQ'89.5(69)
HMM'86.12
2 Crime Writers and Other Animals 1998 -
3 A Crime in Rhyme: and Other Mysterious Fragments 2000 -

【邦訳短編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Letter to His Sons
息子への手紙
1986 早川文庫「息子への手紙」('89)
2 An Unmentionable Death
話しづらい死
1988 早川文庫「わが手で裁く」('90)
HMM'89.10
3 スターダスト・クラブの殺人 早川書房「フィリップ・マーロウの事件Ⅱ」('90) フィリップ・マーロウもののパスティーシュ
4 Parking Space
駐車スペース
HMM'90.4
5 文学史のお時間 1990 早川文庫ミステリアス・プレス46「クリスティーに捧げる殺人物語
6 The Man Who Got the Dirt
貧乏クジをひいた男
1992 EQ'99.7
7 Political Corrections
差別語にご用心
1995 EQ'98.5
8 Happy Christmas, Darling─and Goodbye
クリスマスに別れを
1997 EQ'97.11
9 Ways to Kill a Cat
猫を殺すいろいろの方法
HMM'98.11
10 The Emperor's New Clothes
はだかの”皇帝”
1998 原書房「赤ずきんの手には拳銃 ワンス・アポン・ア・クライム」('99)
11 A Note of Note
紙幣のひとりごと
2001 ジャーロ'03夏

【ミステリ以外の小説】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 After Henry 1987 -
2 The Booker Book 1989 -
3 The Penultimate Chance Saloon 2006 -

【戯曲】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Murder in Play 1994 -
2 Mr Quigley's Revenge 1995 -
3 Silhouette 1998 -
4 The Tale of Little Red Riding Hood -
5 Sleeping Beauty 1999 -
6 Putting the Kettle on 2002 -
7 A Bad Dream 2005 -
8 Quirks 2009 -

【編書】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Dead Giveaway 1985 -
2 The Detection Collection 2005 -

【エッセイ・評論その他】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 わるガキ日記
─ボクはあぶない0歳児
1992 光文社('00)

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