紳士泥棒 A・J・ラッフルズ
(A. J. Raffles)

　Ｅ・Ｗ・ホーナングが生んだ、イギリスの紳士泥棒。表の顔は上流階級出身の紳士でクリケットの選手ですが、冒険心と経済的必要性から泥棒を始めるようになったといいます。

　青い瞳に端正な顔立ちをし、いつもサリヴァンの煙草を吹かしながら彼に窮状を助けられた、作家で相棒のバニーに楽しげに犯罪計画を語って聞かせます。

　犯罪をゲームとして捉え、弱者からは決して盗まず、フェアプレイを信条としています。このような形の怪盗小説の基礎を築いたのがこのラッフルズ・シリーズであり、後のモーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパンやレスリー・チャータリスの聖者サイモン・テンプラーにも影響を与えました。

　著者ホーナングの死後にもラッフルズものは、バリイ・ペロウン(Barry Perowne)の手によっても３冊書き継がれています。