不可能犯罪の巨匠ジョン・ディクスン・カーの生み出した探偵の一人。不可能犯罪を主に担当するロンドン警視庁のD三課に所属し、部下のロバーツ警部とともに難事件の捜査にあたります。
体重は238ポンド、赤毛の大きな頭にそばかすだらけの顔の大兵肥満の温厚そうな男で、火皿の大きなパイプ、テントのような大きなレインコートという出で立ちは、カーのシリーズ探偵として有名なギデオン・フェル博士やヘンリー・メリヴェール卿(H・M卿)をどこかしら彷彿させるものがあります。
マーチ大佐の登場する作品は短編集「不可能犯罪捜査課」所収の7短編に加えて別の短編集に収録されている2編のわずかに9短編ですが、他にも長編「第三の銃弾」に、彼によく似たマーキス大佐という人物が登場しています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | 不可能犯罪捜査課 | 1940 | 創元推理文庫118-1(3を除く) | クイーンの定員94 | |
1 | 新透明人間 (透明人間) |
1938 | 創元推理文庫170-1「魔術ミステリ傑作選」('79) 別冊宝石61('56) 集英社「海外ミステリー傑作選」('78) 新青年'38.7 |
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2 | 空中の足跡 (空中の足あと) |
1940 | 宝石'59.1 | ||
3 | 見知らぬ部屋の犯罪 (存在しない部屋の殺人) |
1938 | 創元推理文庫100-5「世界短編傑作集5」('61) 東京創元社 世界推理小説全集51「世界短篇傑作集2」('57) 新青年'38夏期増刊 |
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4 | ホット・マネー | 1939 | |||
5 | 楽屋の死 (楽屋殺人事件) |
新青年'39夏季増刊 | |||
6 | 銀色のカーテン (銀のカーテン) |
光文社文庫「クイーンの定員 III」('92) 別冊宝石61('56) 立風書房「現代アメリカ推理小説傑作選1」('80) 宝石'54.1 |
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7 | 暁の出来事 | 1938 | |||
2 | The Men Who Explained Miracles (奇蹟を解く男) |
1963 | - | ディクスン・カー名義 | |
1 | ウィリアム・ウィルソンの職業 (ウィリアム・ウィルスン事件) |
1941 | 創元推理文庫118-3「パリから来た紳士」 早川書房「復刻エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン No.1-3」('95) EQMM'56.9 |
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2 | 空部屋 | 1939 | 創元推理文庫118-3「パリから来た紳士」 EQMM'61.10 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Merrivale, March and Murder | 1991 | - | ダグラス・G・グリーン編 全作品再収録 |