”ケントの恐怖”
女流本格ミステリー作家クリスチアナ・ブランドの生み出したケント州警察の”鬼”と呼ばれる名警部。そのモデルは著者ブランドの敬愛する義父とされています。
その風貌は鷲鼻に禿頭、右手の指先はニコチンで染まっていて、いつもヨレヨレのレインコートを身に纏っています。そのため一見すると無害な老人に見えるのですが、いざ捜査を開始すると持ち前の観察眼と推理力そして長年の経験を活かし、いったん獲物に喰らいつくや冷酷な狩人に豹変。そのため周囲からは「ケントの鬼」と恐れられているのです。
また作中ではいつも親しげな雰囲気で事件関係者たちに接していき、最後には彼らを緊張状態に追い込んで互いにいがみ合わせ、ついには真犯人をあぶり出すというやり方を得意としているのですが、このような厄介な性格になったのは若い頃に彼の妻が難産で赤ん坊とともに亡くなってしまうという悲劇に見舞われたことが原因とも噂されています。
全部で6つの長編と9つの短編、それに1つの戯曲に登場。その他に番外としてコックリルの妹の登場する長編が1作品あります。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 切られた首 | 1941 | HPB515 | |
2 | 緑は危険 | 1944 | 早川文庫57-1 HPB410 |
ハヤカワベスト100・92位 映画化('46) |
3 | 自宅にて急逝 | 1946 | HPB492 | EQアンケート73位 |
4 | ジェゼベルの死 | 1948 | 早川文庫57-2 HPB544 |
ハヤカワベスト100・41位 EQアンケート18位 チャールズワース警部との共演 |
5 | 疑惑の霧 | 1952 | 早川文庫57-5 HPB420 |
チャールズワース警部との共演 |
6 | はなれわざ | 1955 | 早川文庫57-3 HPB474 早川書房 世界ミステリ全集14('73) |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | ゆがんだ光輪 | 1957 | HPB517 | コックリルの妹が登場 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | What Dread Hand? | 1968 | - | 全15編 | |
1 | 婚姻飛翔 | 1967 | 創元推理文庫262-1「招かれざる客たちのビュッフェ」 HMM'67.8 HMM'89.8 |
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2 | 血兄弟 | 1965 | 創元推理文庫262-1「招かれざる客たちのビュッフェ」 HMM'67.7 |
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3 | 事件のあとに (帽子から飛び出したうさぎ) |
1958 | 創元推理文庫262-1「招かれざる客たちのビュッフェ」 EQMM'59.9 |
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2 | 招かれざる客たちのビュッフェ | 1983 | 創元推理文庫262-1 | 全16編 EQアンケート42位 |
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1 | 事件のあとに (帽子から飛び出したうさぎ) |
1958 | EQMM'59.9 | 再収録 | |
2 | 血兄弟 | 1965 | HMM'67.7 | ||
3 | 婚姻飛翔 | 1967 | HMM'67.8 HMM'89.8 |
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4 | カップの中の毒 (ブラック・コーヒー) |
1969 | HMM'69.5 | ||
3 | ぶち猫 コックリル警部の事件簿 |
2002 | 論創社 論創海外ミステリ69('07) | 短編集2の4編再収録を含む全10編(邦訳はエッセイ+6編) | |
1 | コックリル警部 | エッセイ | |||
2 | 最後の短編 (最後の短篇) |
1973 | HMM'73.7 | ||
3 | 遠い親戚 | ||||
4 | ロッキング・チェア | 1984 | HMM'88.12 | ||
5 | 屋根の上の男 | 1983 | HMM'83.7 | ||
6 | アレバイ | HMM'04.12 | ショートショート | ||
7 | ぶち猫 | 戯曲 |