グルメ・ガイドブックの覆面調査員は元パリ警視庁刑事
児童文学”くまのパディントン”シリーズで世界的に有名なイギリスの作家マイケル・ボンドの生み出したキャラクター。
職業は〈ル・ギード〉というグルメ・ガイドの記者兼レストランの採点役として働いていますが、パリ警視庁の元刑事で、その経験を活かして行く先々で事件を解決していきます。
年齢50歳ぐらいで、大変な美食家でワイン通。少しばかり艶っぽくきわどいところもあるミステリー。男性的魅力にもあふれ、「女にかけては凄腕」で鳴らしたこともあるらしいのですが、現在は妻のドゥーセットに頭が上がりません。
そして彼の相棒として毎回登場し、パディントンを彷彿とさせる魅力的な描写で物語に大きな厚みを与えているのが主人をこよなく愛するポムフリットという名前のブラッドハウンド犬。
体重40~45キロの大型犬で、数学は苦手で少し愚痴っぽく、イラズラ好きなのが玉にキズですが、誰からも好かれる性格で、料理やワインに一家言もち、訓練を受けた警察犬で弾道学にも精通しており、いざというときは主人を助けて大活躍を見せてくれます。
このシリーズは本格ミステリというよりは、彼の味わう料理や酒に関するうんちくに耳を傾けつつ、彼と出会う個性豊かな登場人物たちのおとぼけやユーモアに満ちたやり取りを楽しむという趣向になっており、主人公と一緒にフランス旅行に行った気分にもさせてくれる、愛すべきシリーズです。
ちなみにパンプルムース氏はフランス語でグレープフルーツ、ポムフリットはフライドポテトを意味します。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | パンプルムース氏のおすすめ料理 | 1983 | 創元推理文庫215-2 東京創元社('98) |
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2 | パンプルムース氏の秘密任務 | 1984 | 創元推理文庫215-3 東京創元社('99) |
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3 | パンプルムース家の犬 | 1986 | 創元推理文庫215-4 | |
4 | パンプルムース氏のダイエット | 1987 | 創元推理文庫215-5 | |
5 | パンプルムース氏と飛行船 | 1989 | 創元推理文庫215-6 | |
6 | パンプルムース氏対ハッカー | 1990 | 創元推理文庫215-7 | |
7 | パンプルムース氏の晩餐会 | 1991 | 創元推理文庫215-8 | |
8 | パンプルムース氏とホテルの秘密 | 1992 | 創元推理文庫215-9 | |
9 | Monsieur Pamplemousse on Location | - | ||
10 | Monsieur Pamplemousse Takes the Train | - | ||
11 | Monsieur Pamplemousse Afloat | 1998 | - | |
12 | Monsieur Pamplemousse on Probation | 2000 | - | |
13 | Monsieur Pamplemousse on Vacation | 2001 | - | |
14 | Monsieur Pamplemousse Hits the Headlines | 2003 | - | |
15 | Monsieur Pamplemousse and the Militant Midwives | 2006 | - | |
16 | Monsieur Pamplemousse and the French Solution | 2007 | - | |
17 | Monsieur Pamplemousse and the Carbon Footprint | 2010 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Monsieur Pamplemousse Tells the Tale パンプルムース氏のとっておきの話 |
1998 | HMM'04.5 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Monsieur Pamplemousse Omnibus Volume One | 1998 | - | |
2 | Monsieur Pamplemousse Omnibus Volume Two | 1999 | - | |
3 | Monsieur Pamplemousse Omnibus Volume Three | - |
【参考】「パンプルムース氏のおすすめ料理」(東京創元社 創元推理文庫)