ブロンドの悪魔
ハードボイルドの代表的作家ダシール・ハメットが、自身の理想の男性像として生み出したと言われるサンフランシスコの私立探偵。
その風貌は183センチの長身に広い肩幅をしていて円錐形のように見え、髪はプロンドで顔は長くアゴが尖っていて、黄味帯びた灰色の目と濃い眉毛もすべてがV字型の姿形をしているところから「金髪の悪魔」と呼ばれています。
幼い頃からサンフランシスコで育った彼は町の隅々までを知り尽くしていて、10歳年上のマイルズ・アーチャーと2人で私立探偵を開業しています。
女には手が早くアーチャーの妻アイヴァとも関係を持つほどですが、いかなる誘惑にも溺れることなくやるべきことは非情なまでに徹底的にやり通す男の美学を持っているところにこの彼の魅力はあります。
まさしくハードボイルド探偵の代名詞にふさわしい人物といえるでしょう。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | マルタの鷹 | 1930 | 早川文庫143-7(改訳決定版) 早川文庫143-1 HPB125 創元推理文庫130-2 角川文庫 ちくま世界ロマン文庫7('78) 東京創元社 世界推理小説全集62('59) 河出書房('88) |
ハヤカワベスト100・23位 EQアンケート32位 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | The Adventures of Sam Spade and Other Stories (サム・スペードの冒険) |
1944 | 創元推理文庫130-5「スペイドという男」(6を除く) | エラリー・クイーン編 全7編 クイーンの定員98 |
|
1 | 赤い灯 (赤い光) (人間が多すぎる) |
1932 | 講談社文庫「死刑は一回でたくさん」('79) 別冊宝石81('58) |
||
2 | 二度と死刑にはできない (死刑は一回でたくさん) (一度しか死刑にはできない) (貴様を二度は縊れない) |
1932 | 講談社文庫「死刑は一回でたくさん」('79) 集英社 コバルト・シリーズ「海外ミステリー傑作選」('78) 宝石'56.10 |
||
3 | スペイドという男 (スペードという男) (私は殺される) |
1929 | 創元推理文庫100-4「世界短編傑作集4」('61) HPB253「名探偵登場4」('56) 嶋中文庫 グレート・ミステリーズ9「血の収穫」('05) 別冊宝石116('63) 東京創元社 世界推理小説全集51「世界短篇傑作集2」('57) |
||
4 | 殺人助手 (私立探偵ラッシュ) |
1926 | HPB255「名探偵登場6」('63) 宝石'61.5(16-6) 岩崎書店 フォア文庫B122('91) 岩崎書店 世界の名探偵物語7('74) |
非スペードもの 私立探偵ラッシュ |
|
5 | 夜陰 | 1933 | EQMM'64.3 | 非スペードもの | |
6 | 判事の論理 | 1924 | 光文社文庫「クイーンの定員 III」('92) 河出文庫「ブラッド・マネー」('88) EQ'78.5 |
||
7 | ああ、兄貴 | 1934 | EQMM'62.4 |
【参考】名探偵コナン21巻(小学館)