日本を代表する推理小説家で新本格派の旗手・綾辻行人の人気シリーズである〈館〉シリーズに登場する素人探偵。
〈館〉シリーズでは、資産家の父親から受け継いだ莫大な資金力を背景に、半ば隠遁生活を送りながら奇妙で風変わりな建物ばかりを建て続ける天才建築家・中村青司が建てた建物を舞台として、毎回まるで悪魔にでも魅入られたかのように起きる凄惨な殺人事件を中心としてストーリーが進められていきます。
そしてこのシリーズに毎回登場して、その哀しくやり切れない事件の真相を解明していくのがこの島田潔という男なのです。
その風貌は背は高く痩せていて、少し長めの髪に浅黒い顔、そして鷲鼻に少し窪んだ両目という顔立ち。
そのためともすると気難しく陰気な人間に思われがちなのですが、話をしてみると言葉遣いは丁寧で柔らかく、金田一耕助を思わせるような人懐っこい性格。物腰豊かな紳士然たる態度で他人にはいつも接するため、敵も少なく慕う人間も数多くいます。
実家は大分県のお寺で兄が二人いますが、教授と警察官となってしまったため自分が家を継がなくてはいけない立場にあるのですが、本人にはその気は全くなく、自由気ままに人生を楽しんでいるようです。
なおこの〈館〉シリーズは、シリーズが進むごとに前作で使われた設定がそのまま引き継がれて物語が進む場合がほとんどであるため、とにかく刊行された順番どおりに読み進んで行くことを強くオススメします。
No. | 事件名 | 発表年 | 出版 | 備考 |
1 | 十角館の殺人 | 1987 | 講談社文庫(新装改訂版)('07) 講談社 YA!ENTERTAINMENT('08) 講談社文庫('91) 講談社ノベルス('87) |
綾辻行人のデビュー作 |
2 | 水車館の殺人 | 1988 | 講談社文庫(新装改訂版)('08) 講談社 YA!ENTERTAINMENT('10) 講談社文庫('92) 講談社ノベルス('88) |
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3 | 迷路館の殺人 | 講談社文庫(新装改訂版)('09) 講談社文庫('92) 講談社ノベルス('88) |
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4 | 人形館の殺人 | 1989 | 講談社文庫(新装改訂版)('10) 講談社文庫('93) 講談社ノベルス('89) |
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5 | 時計館の殺人 | 1991 | 講談社文庫('95) 双葉文庫('06) 講談社ノベルス('91) |
第45回日本推理協会賞('92) |
6 | 黒猫館の殺人 | 1992 | 講談社文庫('96) 講談社ノベルス('92) |
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7 | 暗黒館の殺人 | 2004 | 講談社文庫1〜4(4分冊)('07) 講談社ノベルス(上下)('04) |
画集つきの愛蔵版も同時発売 |
8 | びっくり館の殺人 | 2006 | 講談社文庫('10) 講談社ノベルス('08) 講談社 ミステリーランド('06) |