デズモンド・バグリイ
(Desmond Bagley)

　バグリィないしバグリー表記もあり。1960年代から70年だんにかけて活躍し、ハモンド・イネスやアリステア・マクリーンとともに高い人気を集めたイギリスの冒険小説家です。

　17歳の時から航空機製造工場で働き、1947年からはウガンダ、ケニア、ローデシアなどアフリカ各地をを転々としました。放送局員、雑誌編集長、映画評論家などの職業を経て1963年に海洋冒険小説「ゴールデン・キール」を発表して作家デビューを果たします。

　更に続く1965年には第２長編となる冒険長編小説「高い砦」を発表。これが冒険小説の巨匠ギャビン・ライアルらに高く評価されてベストセラーとなり、作家としての地位を確固たるものにします。以降は作品の質を落とさないようにするためもあってかほぼ年１作のペースを守って作品を発表し、全部で16の長編を残しています。

　彼の冒険小説ではそのほとんどが海洋や山岳、砂漠、森林地帯などの大自然が舞台に設定されていて、そのリアルな自然描写には定評あります。また主人公を務めるキャラクターは超人的というよりはごく普通の人物が多く、予期せぬ大自然の猛威や敵の攻撃に直面し、やがて自己の能力に目覚めて困難を乗り越えていく過程が克明に描かれ、読者の共感を呼ぶのが大きな特徴です。