20世紀最大のファンタジー作家

IRL ロード・ダンセイニ(ダンセイニ卿)
(Lord Dunsany)

魔法使いの弟子
「魔法使いの弟子」
(1926年)
(早川書房)

 アイルランド出身のファンタジー・幻想作家で、ファンタジーの古典として現在でも世界中で広く読み継がれているファンタジー界の巨匠。当初は創作神話の作家として活躍していましたが、やがて幻想・ファンタジー作家に転身し、数多くの幻想的な短編や長編を残しました。

 本名はエドワード・ジョン・モーアトン・ドラックス・プランケットといい、首都ダブリンの北方ミーズ郡に領地を持ち、1439年から続くアイルランドの名門貴族であるダンセイニ男爵家の第18代当主でもありました。ロード・ダンセイニというのは彼の貴族としての称号をペンネームに用いたものです。
 ミーズにある12世紀に建てられたノルマン風の古城と、イングランドのケントにある屋敷で人生の大半を過ごしたといいます。

 小説家としてだけでなく、詩人、劇作家、翻訳家、エッセイストとしても活躍し、幅広い分野で文学的な業績を数多く残しています。そしてその一方で身長6フィート4インチという恵まれた体で軍人としても活躍。またスポーツマンで世界漫遊の旅に出るなど、活発的な人物もあったといいます。

世界の涯の物語
「世界の涯の物語」
(1912、1916年)
(河出書房新社)

 この点、軍人としては元近衛連隊の隊長で射撃の名手でもあり、南ア戦争や第一次世界大戦では負傷しながらも死力を尽くし、またチェスの腕前はロンドンのチェス・トーナメントで当時の世界チャンピオンと対戦して引き分けたほどでした。

 彼の作家活動は大きく分けて3期に分けられ、まず初期の頃は現実とは全く無関係の別世界を舞台にした神話的・寓話的な短編を数多く発表しました。処女作である1905年の「ぺガーナの神々」から1919年刊行の「三つの半球体の物語」までの計8編の短編集がこれにあたります。

 1920年代に入ると今度は長編に力を注ぎ始め、内容も別世界だけを語るのではなく、現実世界とも交錯する異世界を描いた作品を発表するようになります。処女長編である1922年刊行の「影の谷物語」をはじめ、「エルフランドの王女」「魔法使いの弟子」などの傑作がこの時期の作品にあたります。

 その後1930年頃から晩年に至っては、それまでの幻想的・ファンタスティックな要素を排し、リアリズムの手法で現実世界を描いた作品を発表するようになります。

魔法の国の旅人
「魔法の国の旅人」
(1931、1948年)
(早川書房)

 アイルランドの現実生活を描いた長編「賢女の呪い」や、軽やかなユーモアを交えた愉快なホラ話(tall tales)を多数執筆して人気を集め、1931年から晩年まで続くシリーズとなったジョーキンズものの短編群がこの時期の作品になります。

 第1期・第2期が幻想作家・ファンタジー作家としてのダンセイニを指し、とりわけ第1期の詩的で流れるような華麗な文体で書かれた短編群は、J・R・R・トールキン、H・P・ラヴクラフト、アーサー・C・クラークなど後世のファンタジー、ホラー、SF作家たちに多大な影響を与えています。


■作家ファイル■

本名
エドワード・ジョン・モーアトン・ドラックス・プランケット(Edward John Moreton Drax Plunkett)
ダンセイニ男爵家の第18代当主(18th Baron Dunsany)(ロード・ダンセイニというのは貴族としての称号)
出身地
アイルランド(イギリス、ロンドンで生まれる)
生没
1878年7月24日~1957年10月25日(79歳)
作家としての経歴
1905
処女短編集「ぺガーナの神々」を刊行。その後1919年までに計8冊のファンタジー・幻想短編を集めた短編集を刊行
1922
ロンドンのパットナム社より長編第1作「影の谷物語」を刊行し、以後ファンタジー・幻想的な長編も発表するようになる
1931
「The Travel Tales of Mr. Joseph Jorkens(ジョセフ・ジョーキンズ氏の旅行譚)」を発表。このジョーキンズ氏シリーズは1954年までの間に計5冊90編もの短編が書かれる
シリーズ探偵
青年紳士リンリー (Linley)
ジョセフ・ジョーキンズ氏 (Mr. Joseph Jorkens)
代表作
「エルフランドの王女」「魔法使いの弟子」
「ぺガーナの神々」「二壜の調味料」(短編集)

■著作リスト■

1 青年紳士リンリー登場作品リスト

2 ジョセフ・ジョーキンズ氏登場作品リスト

3 その他の作品

【長編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 影の谷物語
(影の谷年代記)
1922 ちくま文庫('91)
月刊ペン社 妖精文庫('79)
スペインが舞台
2 エルフランドの王女 1924 沖積舎('91)
月刊ペン社('77)
幻想
3 魔法使いの弟子 1926 早川文庫 FT30
ちくま文庫('94)
幻想
4 牧神の祝福 1927 月刊ペン社 妖精文庫25('81) 幻想
5 The Curse of the Wise Woman
(賢女の呪い)
1933 - アイルランドの現実生活を語った小説
6 Up in the Hills
(丘陵)
1935 -
7 Rory and Bran
(ローリーとブラン)
1936 -
8 My Talks with Dean Spanley
(ディーン・スパンリーとの対話)
- 映画化「Dean Spanley」('08)
9 The Story of Mona Sheehy
(モナ・シーフィの物語)
1939 -
10 Guerrilla
(ゲリラ)
1944 - 戦争小説
11 The Strange Journeys of Colonel Polders
(ポルダーズ大佐の奇妙な旅程)
1950 -
12 The Last Revolution
(ラスト・レヴォリューション)
1951 - 唯一のSF
13 His Fellow Men
(仲間)
1952 -
14 The Pleasures of a Futuroscope 2003 - 未発表長編
1955年頃に執筆されたもの

【短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1   The Gods of Pegana
(ペガーナの神々)
1905 早川文庫 FT「ペガーナの神々」('79)
河出文庫「時と神々の物語」('05)
創土社 ブックスメタモルファス「ベガーナの神々」('75)
幻想
処女作品
1 はじまり
2 ペガーナの神々 創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
3 鼓手スカアルについて
4 世界を創ること
(黎明を創る)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
5 神々が戯れること
6 神々の讃歌
7 キブのことば
─世界のすべてのものに生命をもたらす者
8 シシュについて
9 スリッドのことば
─かれの霊は海辺に宿る
10 ムングの行ない
─ペガーナおよびこの世との境界に棲むすべての死を司る者
11 神官たちの讃歌
12 リンパン=タンのことば
─愉悦と吟遊詩人たちの神
13 ヨハルネト=ラハイのこと
─小さな夢とまぼろしの神

国書刊行会 書物の王国2「夢」('98)

14 進行の神ルウンのこと および千の地神に寄せて
15 地神の叛乱
16 ドロザンドのこと
─かれの眼は終末を見つめる
17 曠野の眼
18 神でも獣でもないもののこと
19 予言者ヨナス
20 予言者ユグ
21 予言者アルヒレト=ホテップ
22 予言者カボク
23 ユン=イラーラが海辺で出会った災いと、日暮れの塔の建立について
24 神がみはなぜシディスを引き裂いたか
25 どうしてイムバウンはアラデックの地でただひとりをのぞくすべての神がみの予言者になったか
26 どうしてイムバウンはゾドラクに出会ったのか
27 ペガーナ
28 イムバウンのことば
29 どうしてイムバウンは王に死のことを語ったか
30 オオドについて
31 創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
32 運命の鳥と終末の日
2 時と神々の物語
(時と神々)
1906 河出文庫('05)
早川文庫 FT「ペガーナの神々」('79)
幻想、河出文庫版は「ぺガーナの神々」「三半球物語」他との合本
1 時と神々
2 海の到来 創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
3 暁の伝説
4 人間の復讐 創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
5 神々が睡ったとき
6 存在しない王
(消えた帝王)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
7 カイの洞窟
8 探索の悲哀
(探索の悲しみ)
9 ヤーニスの人々
10 神々の名誉のために
(神々の栄光のために)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
11 夜と朝
12 高利貸し 創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
13 ムリディーン
14 神々の秘密 創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
15 南風
16 時の国で
17 世界を哀れんだサルニダク
(サルニダクの慈悲)
ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
18 神々の冗談
19 預言者の夢
20 王の旅
3 ウェレランの剣 1908 河出文庫「夢見る人の物語」('04) 幻想、邦訳は「夢見る人の物語」との合本
1 ウェレランの剣 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
2 バブルクンドの崩壊 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
3 妖精族のむすめ
(妖精のやからに近き者)
ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
4 追い剥ぎ
(追剥)
ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
5 黄昏の光のなかで 映画化('78)
6 幽霊
7 渦巻き
8 ハリケーン
9 サクノスを除いては破るあたわざる堅砦 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
10 都市の王
11 椿姫の運命
12 乾いた地で
4 夢見る人の物語 1910 河出文庫「夢見る人の物語」('04) 幻想、邦訳は「ヴェレランの剣」との合本
1 海を臨むポルターニーズ
(海を望む峰ポルターニイズ)
ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
2 ブラグダロス
3 アンデルスプラッツの狂気 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
4 潮が満ちては引く場所で
(潮の満ち干するところ)
国書刊行会 バベルの図書館「ヤン川の舟唄」('91)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
5 ベスムーラ
(ベツムーラ)
ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
6 ヤン川を下る長閑な日々
(ヤン川の舟唄)
国書刊行会 バベルの図書館「ヤン川の舟唄」('91)
7 剣と偶像 国書刊行会 バベルの図書館「ヤン川の舟唄」('91)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
8 無為の都
9 ハシッシュの男
10 哀れなビル
11 乞食の一団
(乞食の群れ)
国書刊行会 バベルの図書館「ヤン川の舟唄」('91)
12 カルカソンヌ
(カルカッソーネ)
(カルカッソンヌ)
ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
国書刊行会 バベルの図書館「ヤン川の舟唄」('91)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
13 ザッカラスにて
14 野原 国書刊行会 バベルの図書館「ヤン川の舟唄」('91)
15 投票日
16 不幸な肉体
5 驚異の書 1912 河出文庫「世界の涯の物語」('04) 幻想、邦訳は「驚異の物語」との合本
1 ケンタウロスの花嫁 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
2 宝石屋サンゴブリンド、並びに彼を見舞った凶運にまつわる悲惨な物語 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
3 スフィンクスの館
4 三人の文士に降りかかった有り得べき冒険 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
5 偶像崇拝者ポンボの身の程知らずな願い
6 ボンバシャーナの戦利品
7 ミス・カビッジと伝説の国のドラゴン
8 女王の涙をもとめて ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
9 ギベリン族の宝蔵
(ギベリンの宝蔵)
ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
10 ナス氏とノール族の知恵比べ
11 彼はいかにして予言の告げたごとく“絶無の都”へいたったのか ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
12 トーマス・シャップ氏の戴冠式
13 チュー・ブとシーミッシュ
14 脅威の窓
6 五十一話集 1915

河出文庫「最後の夢の物語」('06)
ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ペガーナの神々」('75)

寓話
米版と英版で1話収録作品に違いあり
1 あいびきの約束
(約束)
2 カロン
3 パンの死
(牧神の死)
4 ギゼーのスフィンクス
5 めんどり
6 風と霧
7 筏づくり
(いかだを作る人)
8 鳶職人
(職人)
9 連れの客
(客)
角川文庫「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー」('01)
10 〈死〉とオデュッセウス
(死とオデュセウス)
11 〈死〉とオレンジ
(死とオレンジ)
12 花の祈り
13 〈時〉と職人
(<時>と商人)
14 小さな町
(小さな市)
15 草だに生いぬ野
(草の生えない草原)
16 蛆と天使
(蛆虫と天使)
17 歌もたぬ国
(歌のない国)
18 最新のもの
19 煽動政治家と娼婦
(デマゴーグとドゥミ=モンド)
20 巨大な罌粟
(大きなケシの花)
21 薔薇
22 金の耳飾りの男
(金の耳飾りをつけた人)
23 カルナ=ヴートラ王の夢
24
25 ひとちがい
(勘ちがい)
26 兎と亀の駆けくらべの真相
(ウサギとカメの競走に関する驚くべき真相)
(兎とカメに関する驚くべき真相)
講談社文庫「世界ショートショート傑作選2」('79)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
HMM'70.4
27 不滅なる無比の者たち
(不滅者)
28 教訓的小話
(教訓的な小話)
29 歌は還りて
(歌の復活)
30 街角に春が
(街角の春)
31 敵がスルーンラーナを訪いし事の次第
(敵はいかにしてトルーンラーナを訪れたか)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
32 勝ち目のないゲーム
(負け試合)
33 ピカデリーを掘る
(ピカデリーを掘り取る)
34 劫火のあと
(火災のあと)
35
(市)
36 〈死〉の糧
(死の食物)
37 哀しき神像
(さみしい偶像)
38 テーベのスフィンクス(マサチュセッツ州にて)
39 報い
(報酬)
40 リーフィグリーン街の災い
(葉緑の街に起こったできごと)
41 アメリカ版のみ収録
42 畑づくり
(あぜを掘る人)
43 ロブスター・サラダ
(エビのサラダ)
奇想天外'74.10
44 流浪者たちの帰還
(亡命者の帰還)
45 〈自然〉と〈時〉
(自然と時)
映画化('76)
46 くろうたどりの歌
47 使者
(使者たち)
48 背の高い三人の息子
49 駆け引き
(和解)
50 成れの果て
(風景)
51 パンの墓碑
(牧神の墓)
52 詩人、地球とことばを交わす
(詩人と大地の対話)
イギリス版のみ収録
7 驚異の物語 1916 河出文庫「世界の涯の物語」('04) 幻想、邦訳は「驚異の書」との合本
1 ロンドンの話
(倫敦の話)
(ロンドンの物語)
角川文庫「北村薫の本格ミステリ・ライブラリー」('01)
国書刊行会 書物の王国1「架空の町」('97)
幻想文学会出版会「小説幻妖1」('86)
2 食卓の十三人
3 マリントン・ムーアの都
4 なぜ牛乳屋は夜明けに気づいたときに戦慄き震えたのか
5 黒衣の邪な老婆
6 強情な目をした鳥
7 老門番の話 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
8 ロマの略奪
9 海の秘密
10 アリが煤色の地を訪れた顛末
11 不幸交換商会 国書刊行会 バベルの図書館「ヤン川の舟唄」('91)
12 陸と海の物語
13 赤道の話 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
14 九死に一生
15 望楼
16 こうしてプラッシュ・グーは“誰も行こうとしない国”にやってきた
17 チェスの達人になった三人の水夫の話
18 流浪者クラブ
19 三つの悪魔のジョーク
8 Tales of War
(戦争小説集)
1918 -
9 Unhappy Far-Off Things
(不幸の日のこと)
1919 - 第一次大戦の経験を元に書かれた散文集
10 三半球物語 1919 河出文庫「時と神々の物語」('05) 幻想、邦訳は「ぺガーナの神々」「時と神々」他との合本
1 ブオナ・クブラの最後の夢
2 オットフォードの郵便屋
(オットフォードの郵便夫)
ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
3 ブゥブ・アヒィラの祈り
4 東の国と西の国
5 小競り合い
6 神はいかにしてミャオル・キ・ニンの仇討ちをしたか
7 神の贈り物
8 エメラルドの袋 ちくま文庫「妖精族のむすめ」('87)
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
9 茶色の古外套
10 神秘の書
11 驚異の都市
12 われわれの知る野原の彼方
 [1]ヤン川を下る長閑な日々
 [2]〈見過ごし通り〉のとある店
 [3]ペルドンダリスの復讐者
三部作
[1]のみ再収録
11 不死鳥を食べた男 1949 河出文庫「最後の夢の物語」('06) 幻想、邦訳は「五十一話集」他との合本
1 不死鳥を食べた男
2 林檎の木
3 皆の仕事が知られた町で
4 薔薇の迂回路
5 老人の話
6 いかにして鋳掛け屋はスカヴァンガーに到ったか
7 オパールの鏃
8 スルタンの愛妾
9 カーシュのスルタンの血統
10 警官の予言
11 森を吹く風
12 虎の毛皮
13 ジュプキンス氏との邂逅
14 悪夢
15 マルガー夫人
16 選択
17 ローズ・ティベッツ
18 当世の白雪姫
19 帰還
20 狂った幽霊
21 理由
22 無視
23 リリー・ボスタムの調査
24 第三惑星における生命の可能性
25 オールド・エマ
26 如何にしてアブドゥル・ディンが正義を救ったか
27 最初の番犬
28 チェス・プレイヤーと金融業者ともう一人
29 名誉会員
30 実験
31 金鳳花の中を下って
32 悪魔の感謝
33 晩餐後のスピーチ
34 言葉ではいい表わせないもの
35 ポセイドン
36 九死に一生
37 犬の情熱
38 記憶違い
39 四十年後
40 鉄の扉
41 大スクープ
12 The Ghosts of the Heaviside Layer: and Other Fantasms
(その他の物語)
1980 河出文庫「時と神々の物語」(11編)('05) 単行本未収録短編14編、エッセイ14編、戯曲2編所収
1 谷間の幽霊
(谷の幽霊)
1954 岩波少年文庫「八月の暑さのなかで ホラー短編集」('10)
2 サテュロスたちが踊る野原 1928
3 秋のクリケット 1950 国書刊行会 怪奇小説の世紀3「夜の怪」('93)
4 もらい手のない〈国の種〉がヴァルハラから持ち去られた事の次第 1919
5 電離層の幽霊 1955
6 おかしいのはどこ? 1950
7 古い廊下にいる幽霊 1933
8 白鳥の王子 1950
9 ペリプル師への啓示 1934
10 誓ってほんとうの話だとも 1953
11 夜の森で
13 In the Land of Time And Other Fantasy Tales 2004 - 収録作品数不明
1 妖精助け 1947 河出文庫「最後の夢の物語」('06)
2 忘れ得ぬ 1952

【アンソロジー】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Selections from the Writings of Lord Dunsany 1912 - W・B・イェイツ編

【邦訳短編集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 ダンセイニ幻想小説集 1972 創土社 ブックスメタモルファス('72) 【神々の物語】
ペガーナの神々
黎明を創る
海の到来
神々の栄光のために
カイの洞窟
探索の悲しみ
消えた帝王
神々の秘密
人間の復讐
南風
予言者の夢
高利貸


【人間の物語】
ロマンスと人生(序)
妖精のやからに近き者
サクノスを除いては破るあたわぬ堅砦
剣と偶像
ケンタウロスの花嫁
ギベリンの宝蔵
宝石屋サンゴブリンドの平穏ならざる物語とかれにくだされた運命
三人の文士にふりかかった有り得べき冒険
老門番の話
敵はいかにしてトルーンラーナを訪れたか
追剥
ウサギとカメに関する驚くべき真相
オットフォードの郵便夫
エメラルドの袋
ラメシスの娘

【都市の物語】
すばらしすぎた都市(序)
海を望む峰ポルターニイズ
バブルクンドの崩壊
アンデルスプラッツの狂気
赤道の話
潮の満ち干するところ
彼はいかにして予言の告げたごとく有り得べからざる都市に至ったか
ベツムーラ
カルカッソーネ
ヴェレランの剣
電気王
2 妖精族のむすめ 1987 ちくま文庫('87) 妖精族のむすめ
サクノスを除いては破るあたわぬ堅砦
ケンタウロスの花嫁
老門番の話
女王の涙をもとめて
サルニダクの慈悲
三人の文士にふりかかった有り得べき冒険
バブルクンドの崩壊
アンデルスプラッツの狂気
海を望む峰ポルターニイズ
ベツムーラ
ギベリンの宝蔵
宝石屋サンゴブリンドの平穏ならざる物語とかれにくだされた運命
かれはいかにして予言の告げたごとく有り得べからざる都市に至ったか
赤道の話
オットフォードの郵便夫
エメラルドの袋
追剥
ヴェレランの剣
カルカッソンヌ
五十一話集
3 ヤン川の舟唄 1991 国書刊行会 バベルの図書館('91) 潮が満ち引きする場所で
剣と偶像
カルカッソーネ
ヤン川の舟唄
野原
乞食の群れ
不幸交換商会
旅籠の一夜

【その他の邦訳短編】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 The Shop That Exchanged Evil
災いを交換する店
ちくま文庫「乱歩の選んだベスト・ホラー」('00)
早川書房 異色作家短篇集「壜づめの女房」
EQMM'64.8
2 The Dreams of the Prophet
予言者の夢
創土社 ブックスメタモルファス「ダンセイニ幻想小説集」('72)
3 食卓の十三人 宝石'53.5
4 Three Men in a Garden
庭園の三人
EQMM'59.11

【戯曲】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Five Plays
(5つの戯曲)
1914 -
2 Plays of Gods and Men
(神々と人間の戯曲)
1917 -
3 If
(もしもある時)
1921 -
4 Plays of Near and Far
(遠近の劇)
1922 -
5 Alexander and Three small plays
(アレクサンダー)
1925 -
6 Seven Modern Comedies
(7つの現代喜劇)
1928 -
7 The Old Folk of the Centuries
(諸世紀の古種族)
1930 -
8 Lord Adrian
(ハドリアヌス卿)
1933 -
9 Mr. Faithful
(信頼さん)
1935 -
10 Plays for Earth and Air
(大地と大気の戯曲)
1937 -

【邦訳戯曲集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1   ダンセイニ戯曲集 1921 沖積舎('91)
警醒社書店('21)
日本で独自に編纂
1 アルギメネス王
2 アラビヤ人の天幕
3 金文字の宣告
4 山の神々
5 光の門
6 おき忘れた帽子
7 旅宿の一夜
(旅籠の一夜)
国書刊行会 バベルの図書館「ヤン川の舟唄」('91)
8 女王の敵
9 神々の笑い

【詩集】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Fifty Poems
(五十の詩)
1929 -
2 Mirage Water
(幻水)
1938 -
3 War Poems
(戦争詩集)
1941 -
4 Wandering Songs
(放浪歌集)
1943 -
5 A Journey
(旅路)
1944 -
6 The Year
(一年間)
1946 -
7 The Odes of Horace
(ホラチウスの頌賦)
1947 -
8 To Awaken Pegasus
(目覚めのペガサス)
1949 -

【自伝】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Patches of Sunlight
(陽光の斑)
1938 -
2 While the Sirens Slept
(セイレーンの眠る間に)
1944 -
3 The Sirens Wake
(サイレンズ・ウェイク)
1945 -

【エッセイ・評論その他】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Nowadays
(このごろのこと)
1918 - エッセイ
2 If I Were Dictator
(私が独裁者だったなら)
1934 - パンフレット
3 Building a Sentence
(文の構築)
- エッセイ
4 My Ireland
(アイルランドの記憶)
1937 - エッセイ集
5 The Donellan Lectures 1943
(ドゥネレン講義集)
1945 - 講演集
6 A Glimpse from A Watch Tower
(望楼の眺め)
1946 - パンフレット

【研究書】

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 Dunsany: King of Dreams
(ロード・ダンセイニ 夢の王)
1959 - へーゼル・リトルフィールド著
評伝

【映画原作】

No. 事件名 発表年 DVD 備考
1 It Happened Tomorrow(米) 1944 - 監督:ルネ・クレール
脚本:ヒュー・ウェドロック・ジュニア他
主演:ディック・パウエル、リンダ・ダーネル
2 Nature and Time(英) 1976 - 監督:ディグビー・ラムゼイ
主演:ポール・グッドチャイルド、ヘレン・ヨーク
原作「〈自然〉と〈時〉」(「五十一話集」所収)
3 In the Twilight(英) 1978 - 監督:ディグビー・ラムゼイ
主演:ブライアン・ラプキン
原作「黄昏の光のなかで」(「ウェレランの剣」所収)
4 Dean Spanley(英・ニュージーランド) 2008 - 監督:トー・フレイザー
脚本:アラン・シャープ
主演:ジェレミー・ノーザム、サム・ニール、ブライアン・ブラウン、ピーター・オトゥール
原作「My Talks with Dean Spanley」

【テレビ映画原作】

No. 事件名 発表年 DVD 備考
1 Suspense:
A Night at an Inn(米)
1949 - 監督:ロバート・スティーヴンス
脚色:ハルステッド・ウェルズ
主演:ボリス・カーロフ、アンソニー・ロス
2 Lux Video Theatre:
The Jest of Hahalaba(米)
1951 - 監督:リチャード・グード
脚色:デイヴィッド・ショー
主演:ボリス・カーロフ、アーノルド・モス
3 Four Star Playhouse:
The Lost Silk Hat(米)
1952 - 監督:ロバート・フローリー
脚色:ロナルド・コールマン、ミルトン・マーリン
主演:レオ・ブリット、ロナルド・コールマン

【参考】「魔法の国の旅人」(早川書房 早川文庫FT)
「影の谷物語」(筑摩書房 ちくま文庫)
「世界の涯の物語」(河出書房新社 河出文庫)
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