UK アラン・グラント警部
(Inspector Alan Grant)

時の娘
「時の娘」
(1951年)
(早川書房)

 英国本格黄金時代のミステリー作家ジョセフィン・テイ女史の創造したイギリスの警察官探偵。スコットランド・ヤード犯罪捜査部の警部。

 その風貌は身長6フィート(183センチ)の長身に髪の毛はもじゃもじゃで、がっちりとした体格は用心棒を思わせる大柄な紳士です。
 性格は用心深く物静かで、理詰めで物事を考えていくタイプですが、これは学生時代から教訓としている「物事が暗礁に乗り上げた時は無理をせず注意をそらしてみよ」という考え方が捜査に生かされているそうです。

 独身で普段の身の周りの世話はミセス・ティンカーという家政婦がしていますが、マータ・ハーラーという女優の恋人がいます。

 第5作「時の娘」では、犯人追跡中にマンホールの穴に落ちてしまい負傷してベッドで入院生活を余儀なくされますが、それがきっかけとなって歴史教科書についての解釈の誤りについて推理するという、安楽椅子探偵ならぬ”ベッド探偵”としての活躍を見せてくれることとなります。


■原作■

ジョセフィン・テイ
(Josephine Tey 英 1896-1952)


■人物ファイル■

職業
イギリス・ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)の犯罪捜査部の警部
協力者
女優で恋人のマータ・ハラード
家政婦のミセス・ティンカー
ワトソン役のウィリアムズ部長刑事
事件簿
全6長編に登場

■事件ファイル■

No. 事件名 発表年 邦訳 備考
1 列のなかの男 1929 論創社 論創海外ミステリ43('06) 初出時はゴードン・ダヴィオット名義
2 ロウソクのために一シリングを 1936 HPB1704
HMM'00.6-10
ヒッチコック映画「第3逃亡者」の原作
3 フランチャイズ事件 1948 HPB138
4 美の秘密 1950 HPB171
5 時の娘 1951 早川文庫51-1
HPB114
ハヤカワベスト100・28位
EQアンケート51位
6 歌う砂
─グラント警部最後の事件
1952 論創社 論創海外ミステリ19('05) テイの遺作

【参考】「ハヤカワミステリマガジン2000年6月号」(早川書房)
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