〈奇術売ります。不可能なものなし〉
自らも奇術師だったという、アメリカの作家クレイトン・ロースンが生みだした奇術師探偵。長身でがっしりとした体格に舞台で鍛え上げられた深みのある声と優美な身のこなしが特徴の好人物です。
5代続いた高名なサーカス一家に生まれ、様々な舞台を経験して奇術師としての名声を確立します。その後間もなくして引退し、現在はニューヨークのタイムズ・スクエアに「魔術の店、奇蹟売ります A.マーリニ商会」という看板を掲げたマジックの専門店をオープンしています。
「この世に不可能なことなし」というのが持論で、人の目を巧妙に欺くという点で不可能犯罪と奇術は基本的に同じものであり、解けない謎はないと断言。ニューヨーク市警のガヴィガン警部に協力して難事件を解き明かして見せます。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 帽子から飛び出した死 | 1938 | 早川文庫30-1 HPB287 東京創元社 世界推理小説全集46('57) |
「密室大集合」アンケート7位 |
2 | 天井の足跡 | 1939 | 国書刊行会 世界探偵小説全集9('95) | |
3 | 首のない女 | 1940 | 創元推理文庫289('62) 東京創元社 世界推理小説全集68('58) |
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4 | 棺のない死体 (ゆうれい殺人事件) |
1942 | 創元推理文庫103-13 東京創元社 世界推理小説全集54('59) あかね書房(ジュヴナイル)('74) |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | The Great Merlini (ザ・グレート・マーリニ) |
1979 | - | 没後出版 | |
1 | 入れ墨男の手懸り (いれずみ男の謎) |
1946 | HPB254「名探偵登場5」('61) 別冊宝石89('59) |
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2 | 折れた脚の手懸り (折れた足の謎) |
1947 | HPB254「名探偵登場5」('61) 別冊宝石85('59) |
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3 | The Clue of the Missing Motive ありそうでない動機の謎 (動機なき殺人) |
別冊宝石89('59) HMM'96.12 |
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4 | この世の外から (あの世から) |
1948 | 創元推理文庫170-1「魔術ミステリ傑作選」('79) 早川文庫80-9「密室大集合 アメリカ探偵作家クラブ傑作選7」('84) 新潮文庫「ビッグ・アップル・ミステリー」('85) EQMM'58.11 |
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5 | 天外消失 | 1949 | HPB1819「天外消失 世界短篇傑作集」 東京創元社「アメリカ探偵作家クラブ傑作選2」('61) 早川書房 世界ミステリ全集18「37の短編」('73) EQMM'56.10 |
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6 | Merlini and the Detector Lie マーリニと嘘発見器 |
EQMM'60.6(問題編) EQMM'60.8(解答編) |
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7 | Merlini and the Vanished Diamonds 消えたダイヤモンド |
EQMM'60.7(問題編) EQMM'60.9(解答編) |
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8 | Merlini and the Sound Effects Murder 音響効果殺人事件 |
EQMM'60.8(問題編) EQMM'60.10(解答編) |
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9 | 世に不可能事なし | 1958 | 早川文庫277-1「密室殺人傑作選」('03) HPB1161「密室殺人傑作選」 EQMM'59.5 |
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10 | Miracles All in the Day's Work 奇蹟なんぞはいつでも起る |
EQMM'59.7 | |||
11 | Merlini and the Photographic Clues マーリニと写真の謎 |
EQMM'69.11 | |||
12 | The World's Samllest Locked Room 世界最小の密室 |
EQMM'71.11 |