飲めば飲むほど冴えわたる推理
ユーモアに溢れた本格ミステリーを書き続けたアメリカの女流作家クレイグ・ライスが生み出したキャラクターで、シカゴに住む酔いどれの刑事弁護士。
タクシー運転手をしながら夜間に法律学校で勉強し弁護士資格を取得した苦労人で、人情にほだされ易く、中年になった今も独身で、シカゴ市内のホテル住まいを続けています。また美女と酒をこよなく愛し、特に酒の方はライ・ウィスキーかジンのダブルをビールのチェイサーで飲むほどの酒豪です。
このマローン弁護士シリーズはマローンの他にもう2人の主人公がいます。それはシカゴのナイトクラブ〈カジノ〉を経営するジェイク・ジャスタスと、大富豪の娘で酒豪であり黄色いコンバーティブルを乗り回すスピード狂のヘレン・ブラントです。
ヘレンとジェイクは第3作「大はずれ殺人事件」で結婚しますが、この2人がいつも違法スレスレの捜査で事件をややこしくしては解決の糸をもつれさせるのですが、それをマローンが上手に解きほぐして見事に解決に導いていく…これがこのシリーズの典型的なパターンとなっています。
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | 時計は三時に止まる (マローン売り出す) |
1939 | 創元推理文庫249-1 光文社文庫 EQ'86.7-9 |
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2 | 死体は散歩する (マローン勝負に出る) |
1940 |
創元推理文庫249-3 EQ'88.5-7 |
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3 | 大はずれ殺人事件 | 早川文庫28-2 HPB210 |
ハヤカワベスト100・85位 | |
4 | 大あたり殺人事件 | 1941 | 早川文庫28-3 HPB211 |
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5 | 暴徒裁判 (怒りの審判) |
早川文庫28-7 HPB684 新樹社 ぶらっく選書12('50) |
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6 | こびと殺人事件 (矮人殺人事件) |
1942 | 創元推理文庫249-4 別冊宝石50('55) |
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7 | 素晴らしき犯罪 (素晴しき犯罪) |
1943 | 早川文庫28-5 HPB565 新樹社 ぶらっく選書11('50) 宝石'50.1(5-1) |
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8 | 幸運な死体 | 1945 | 早川文庫28-4 HMM'81.1-3 別冊宝石50('55) |
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9 | 第四の郵便配達夫 (第四の郵便屋) |
1948 | 創元推理文庫249-2 新樹社 ぶらっく選書4('50) |
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10 | わが王国は霊柩車 | 1957 | HPB880 | |
11 | マローン御難 | 早川文庫28-6 HPB479 |
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12 | But the Doctor Died | 1967 | - |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 | |
1 | マローン殺し (わが名はマローン) |
1958 | 創元推理文庫249-5「マローン殺し」 | クイーンの定員116 | |
1 | マローン殺し | 1953 | 光文社文庫「クイーンの定員 IV」('92) EQ'83.11 |
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2 | 邪悪の涙 (にくらしい曲線) |
マンハント'54.4 | |||
3 | 胸が張り裂ける (うぶな心が張り裂ける) |
1943 | 早川文庫277-1「密室殺人傑作選」('03) HPB254「名探偵登場5」('61) HPB1161「密室殺人傑作選」 早川書房 世界ミステリ全集18「37の短篇」('73) EQMM'60.10 |
ライスの処女短編 | |
4 | 永遠にさよなら (最後のさよなら) |
1951 | EQMM'60.9 | ||
5 | そして鳥は歌いつづける (小鳥たちはまた歌う) |
1952 | HPB729「EQMMアンソロジー II 」('62) EQMM'58.6 |
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6 | 彼は家へ帰れない | 1957 | |||
7 | 恐ろしき哉、人生 (駆けめぐる死体) |
1953 | HMM'78.5 | ||
8 | さよなら、グッドバイ! (グッドバイ、グッドバイ) (グッドバイ・グッドバイ!) |
1946 | HMM'89.8 EQMM'57.6 |
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9 | 幸運なブラッドリー (災難ブラッドリイの事件) |
1943 | EQMM'61.10 | ||
10 | 恐怖の果て (恐怖の終り) (恐怖という名の小猫) |
1953 | HMM'87.4 | ||
2 | People vs. Withers and Malone (ウィザーズ&マローン裁判) |
1963 | - | スチュアート・パーマーとの合作 クイーンの定員120 |
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1 | Once Upon a Train 汽笛一声 |
1950 | EQMM'59.2 | ||
2 | Cherchez la Frame 罠を探せ |
1951 | EQMM'57.11 | ||
3 | 三人目の男 | 1954 | 早川書房「復刻エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン No.1-3」('95) EQMM'56.7 |
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4 | Rifts in the Loot 貰いそこねた分け前 |
1955 | EQMM'57.7 | ||
5 | Withers and Malone, Crime-Busturs 犯罪気ちがい |
1963 | EQMM'64.8 | ||
6 | Withers and Malone, Brain-Stormers 九死に一生 |
1959 | EQMM'59.7 | ||
3 | Murder, Mystery and Malone | 2002 | - | メルヴィル・フェアもの1編他全12編 | |
1 | Beyond the Shadow of a Dream 夢の影より |
1955 | EQMM'60.2 | ||
2 | One More Clue もう一つ手掛りが (お茶の子サイサイ) |
1958 | 荒地出版社「年刊推理小説ベスト10(1960年版)」 マンハント'59.11 |
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3 | Wry Highball 飲んであの世へ (ハイボールの罠) |
1959 | EQMM'59.8 心交社「ワイン通の復讐」('98) |
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4 | They're Trying to Kill Me | - | |||
5 | Shot in the Dark | 1955 | - | ||
6 | Say It with Flowers 手向けの花 |
1958 | EQ'97.9 | ||
7 | No, Not Like Yesterday マローン予言者になる |
1956 | HMM'84.6 | ||
8 | The Frightened Millionaire 怯えた百万長者 |
HMM'83.12 | |||
9 | Hard Sell セールスマン殺し (セールスメンの死) |
1960 | 荒地出版社「年刊推理小説ベスト18(1963年版)」 HMM'76.8 |
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10 | Murder Marches On ! お葬いは大騒ぎ |
1953 | マンハント'59.1 |
No. | 事件名 | 発表年 | 邦訳 | 備考 |
1 | Don't Go Near... ライオンの檻に近寄るな |
1953 | マンハント'62.6 | |
2 | 馬を飲みこんだ男 | 創元推理文庫104-24「ミニ・ミステリ傑作選」('75) EQMM'59.5 |
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3 | Smoke Ring 煙の環 |
新潮文庫「謎のギャラリー─こわい部屋」('02) EQMM'60.8 |
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4 | The Bells Are Ringing 鐘は鳴る鳴る |
マンハント'62.10 | ||
5 | ...And Be Merry 紙の葡萄 |
1954 | マンハント'62.9 | |
6 | I'm a Stranger Here Myself わたしもよそ者です |
マンハント'62.12 | ||
7 | No Vacancies あかない部屋 |
マンハント'62.11 | ||
8 | Murder in the Family 身内にご用心 |
EQ'79.5 | ||
9 | Flowers to the Fair 美人には花束を |
マンハント'63.3 | ||
10 | The Headless Habox | 1955 | - | 「わが王国は霊柩車」の中編 |
11 | No Motive for Murder | - | ||
12 | Dead Men Spend No Cash | 1956 | - | |
13 | Cheese It,the Corpse 死体からずらかれ |
1957 | マンハント'63.4 | |
14 | The Very Groovy Corpse | 1958 | - | |
15 | The Butler Who Didn't Do It 黙らされた執事 |
1960 | ヒッチコックマガジン'60.8 | |
16 | Malone and the Missing Weapon マローンと消えた兇器 |
1961 | EQMM'61.12 |